髙梨沙羅、ソチ五輪ジャンプ台への対策に自信

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 W杯札幌大会初日の1月11日は降雪の上に風もクルクル変わり、選手がスタートを待たされることが多かった。その中でも1本目にW杯ヒルレコードの99mを飛び、ただひとりゲートを1段(50cm)下げた2本目も94.5mながら飛型点とウインドファクターの差で、2位に14点近くの大差をつけて圧勝した高梨沙羅(クラレ)。サラ・ヘンドリクソン(アメリカ)が持っていたW杯最多優勝記録の13をアッサリと更新したが、翌12日の試合は安全を意識したジャンプで勝負に臨んだ。

W杯札幌大会、悪天候の条件でも力を発揮して2勝をあげた高梨沙羅選手W杯札幌大会、悪天候の条件でも力を発揮して2勝をあげた高梨沙羅選手  その理由は朝からの降雪で条件が厳しくなっていたからだ。1本目のあとに高梨が「彼女のジャンプは最初から最後まで見ていたので心臓が止まりそうになりました。仲間がああいうことになったのが心配で、すぐには自分のことに集中出来なかった」という、山田優梨菜(白馬高校)の転倒があった。

 さらに高梨が飛ぶ直前には、前日2位に入り、W杯ランキングも2位にあげていたカリナ・フォークト(ドイツ)も、90mを飛んだが転倒していた。ランディングバーンで積もった雪に足を取られたのだ。

「1本目はまずまずのジャンプだったけど、転倒する選手もいたので転ぶのだけは絶対に避けようと思って安全に着地しました」

 こう話す高梨は向かい風を受けて97mまで飛距離を伸ばすと、あえてテレマークを入れずに着地。飛型点は16~17.5点(20点満点)に止まったが、2位につけた伊藤有希(土屋ホーム)に7.9点差をつけてトップに立った。

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