高橋大輔に若手からひと言「ダンスがうますぎてマネできない」 アイスショーで見せた革新性 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【高橋大輔の踊りは「うますぎてマネできない」】

 同時に、若いスケーターも大いに刺激を受けていた。

「高橋さんの印象は、ストイックなイメージだったので、イメージどおりです(笑)。ふだんは気さくで優しいんですが、練習ではちょっと厳しめで、それが空気を引き締めて、いい雰囲気になっていました」

 福岡出身のアンサンブルスケーター、江川マリアは言う。昨年末の全日本選手権で11位に入った期待の新鋭だ。

「2年前、福岡で練習していた頃、(老朽化などで今回の会場が)閉鎖になって。それが再開し、こうしてアイスショーを開催できるようになって、(当時は)考えられないことだったのでうれしいです!」

 彼女は朗らかに言う。高橋が再起するリンクを今回の表現の場に選んだのは、立ち上がるエネルギーを自らの演技に転換してきた人生にも重なったからだろうか。

「(リンク閉鎖期間中は)1時間かけて、他のリンクへ練習に行っていました。それが(再開された)ホームリンクで、こんなすばらしいアイスショーをしてもらって」

 同じく福岡出身のアンサンブルスケーターの松岡隼矢はそう言いながら、報道陣の笑いも誘った。

「(高橋のイメージを)もう少し怖そう、と思っていましたが、違ったところを丁寧に、自分の体を動かして教えてくれて、わかりやすかったです。でも、踊りがうますぎてマネできないのが......」

 苦労するのは当然で、高橋のダンスは格別である。

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