高橋大輔が新・異色カップルで名プログラム披露「セクシーにエロく」から違った感覚に (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

【村元哉中に相談して仕上げ】

 特別なナンバーになるだろう。2006年2月のトリノ五輪以来、18年ぶり(2006−2007シーズンはエキシビションで使用)。長い年月で身につけてきたものが、透けて見えるのではないか。

「見ている方にも、新鮮に伝わるかなって思います!」

 表現者として、高橋も意欲的だ。

 本番ではシングル用のスケート靴で、ジャンプも跳ぶ予定だという。ただ、この日の練習は、アイスダンス用のスケート靴を間違えて持ってきてしまったらしい。笑い声の多い会見で、明朗な人柄も変わらず、そそっかしさまで同じだったが......。

 最後の撮影で、高橋はカメラマンのリクエストでとったポーズで違いを見せつけている。何気ない姿勢だったが、傑作の彫像のようだった。足や腕や顔の角度を一つひとつまで無意識にこだわって、凛然として美しい。

 少しずつ視線を変えながら、端から端までカメラのレンズを見つめる。一つひとつの筋肉を微細まで動かし、眼球にまで指令が行き渡っているようだった。

「(東京公演まで)あと1週間、動画で男性のタンゴを見ながら、イメージを近づけています。振付けでも、首や足の向きなど細かいところまで滑り込んで。哉中ちゃんにも、どういうのがいいかなって相談しながら!」

 高橋は明るい声で言った。東京公演は1月19日から21日の予定だ。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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