坂本花織の「まあいいか、も必要」の金言 島田麻央は「次にノーミスができたら自分を褒めてみようかな」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【足が震えてしまう感じがして...】

「ジュニアGPファイナルもショートでミスをしてから(フリーで)切り替えられたので、そこは自信につながっている。目指していた表彰台は遠くなったと思うので、逆にプラスにとらえて、もう何もかかってないと思ってやりたいです」

 そして、12月24日のフリー。6分間練習までは平常心を保っていたという。だが、本番は違った。

「自分の出番になってリンクに入った時にいきなり緊張してしまいました。心臓の緊張っていうより、足が震えてしまう感じがして。去年の全日本も同じような緊張感があったけど、全日本ジュニアやジュニアGPファイナルとは少し違った。シニアの選手に少しでも近づきたいという思いもあったけど、それより自分がいい演技をしたかったし、フリーでは大技以外のジャンプを絶対に決めなければと思って......緊張しました」

 最初のトリプルアクセルは、SPと同じように確実に決めた。そのあとの4回転トーループはアンダーローテーションで転倒したものの、それは想定内。SPでミスをした次の3回転ルッツ+3回転トーループは1.52点の加点のジャンプとし、流れに乗ったように見えた。

 しかし、丁寧に入った後半の3回転ループは、ジュニアGPファイナルと同じく1回転になってしまった。

「前の試合で失敗するまではあまり気にせず跳んでいたけど、失敗してからやっぱり気にしてしまうようになっていて、ちょっと力が入ってしまったのかなと思います」

 島田はこう振り返り、2大会連続で同じミスをしたことを悔やむ。

 フリーの結果は136.95点。ミスを重ねながらも合計を202.18点にして底力を示した島田は、最終組で滑った同じジュニアの上薗恋奈を1.47点抑えて表彰台は死守した。

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