島田麻央は坂本花織に全日本で勝てるか? 優勝争いを予想・考察してみた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 田中宣明●撮影 photo by Tanaka Nobuaki

【失敗より挑戦できないほうが悔しい】

 島田のもうひとつの目標は、昨季の世界ジュニアであとわずかまで迫っていた、フリーでトリプルアクセルと4回転トーループの大技2本をそろえること。今季のジュニアGPシリーズ2戦と全日本ジュニアでは、トリプルアクセルは2大会では成功したが、4回転トーループは転倒が続いていた。

 それでも、GPファイナルのフリーは、最初のトリプルアクセルは1.60点の加点、次の4回転トーループの2.17点の加点をもらう出来と、目標を達成。島田は「練習がよくなかったので思いきりやるしかない、と思えたのがよかった」と振り返った。

 だがGPファイナルの演技はそのあとに思わぬミスが出た。

 これまでの島田は、最初の大技の結果にかかわらず、他のジャンプをノーミスで跳ぶのが高得点獲得の大きな要因になっていたが、次の3回転ルッツ+3回転トーループでルッツがアンダーローテーションとなり、後半の3回転サルコウからの3連続ジャンプもセカンドの3回転トーループが4分の1の回転不足に。そして、3回転ループも1回転になり、らしくないミスが連発した。

「これまで(トリプルアクセルと4回転トーループの)2本を成功したことがなかったので、少し動揺してしまったという感じで。そのあともノーミスしたいという思いが強くなって、力が入ってしまいました」

 それでもフリーでは1位の138.06点を獲得し、合計を206.33点にしてGPファイナル連覇を達成。「ノーミスができなかった悔しさより、2本をそろえられたうれしさのほうが大きい」と納得の表情を見せた。

「連覇は狙ってはいたけど、やっぱりその2本に挑戦して2本とも失敗するより、挑戦できなかったほうが自分にとっては悔しいので、2本を抜くということは頭にはなかったです」と意地も見せる。

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