キム・ヨナに憧れて...フィギュアスケート韓国勢「ヨナ・キッズ」の台頭 (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【坂本花織に憧れ】

 昨シーズン、四大陸選手権で金メダル、世界選手権で銀メダルを獲得したイ・ヘインは、安定したジャンプと音楽表現が魅力のスケーター。GPシリーズ・フランス杯後はメダルを獲得できずにかなり落ち込んでいたというが、「スケーターの友人たちがファイナル行きを決めていたので、私もそこに行きたいと思って練習を頑張れました」と話す。

 キム・ヨナはもちろん、現役の選手では坂本花織やルナ・ヘンドリクスが憧れ。明るく社交的な性格で友人も多く、三浦佳生やイリア・マリニン(アメリカ)など同世代スケーターとも仲がいい。

 世界選手権や国別対抗戦で来日した際には「日本のスケーターと話したい」と、日本語を覚えてきた。いつも笑顔で楽しそうな彼女だが、フランス杯に続いてNHK杯も表情を曇らせていることが多かったように見えた。

 ショートプログラム(SP)では転倒はなかったが、細かいマイナスがあり3位。演技後、「フランス杯のあとは正直、抜け殻のようになっていました。すごく悲しかったですし、自分にがっかりしていたんです。コンビネーションなどで回転不足をとられないように練習してきましたが、その練習の成果を出すことができませんでした。まだ終わったわけではないのでベストを尽くしたいです」と語った。

「たくさんのエネルギーを届けたい」と臨んだフリープログラムでは、『ノートルダムの鐘』のエスメラルダを演じる。多くのジャンプでマイナス評価を得てしまったが、「昨日よりはよかったと思います。(GPファイナルには届かなかったが)来年も挑戦できるので、私はギブアップしません」と気丈に振る舞った。シーズン後半に調子を上げてくる印象があるイ・ヘイン。今後の活躍に期待したい。

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