友野一希がシーズン最後に直面した「弱い自分」 来季は振付師を変更し「新しい自分」に挑む (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●「弱いところが出た」

 中1日置いた4月15日は、男子の前に行なわれたペアフリーで三浦璃来/木原龍一が2位になって11点を加算し、日本は韓国に4点差をつける2位。男子には、順位の確保が求められる状況だった。

 そのなかで佐藤は攻めの滑りを見せ、164・86点を獲得。その勢いを受けた6番滑走の友野は、最初の4回転トーループからの連続ジャンプは4回転+2回転になったが2.71点の加点をとるジャンプとし、世界選手権で転倒した次の4回転トーループも3.39点加点の出来にした。

 3回転ループもきれいに決めるとそのあとの2本のスピンも最高難度のレベル4。ステップシークエンスは曲に合わせた柔らかさのある滑りで完成度を高めていた。

 だが、終盤の得点源となる3回転フリップ+ダブルアクセルとトリプルアクセルは、3回転フリップが手をつく着氷となって連続ジャンプにできずに2.27点減点され、アクセルはパンクしてシングルにとどまるミスを連発。フリーの得点は164.55点で佐藤も下回る結果となり、団体戦の2位確保を逃してしまった。

「世界選手権で失敗した2本目のトーループをしっかり立てたのはうれしかったけど、サルコウはしっかり着氷していたのにショートのミスを引きずったかなと思います。

 ただ他のジャンプで得点にならないミスを最後の最後にしてしまった。あれで20点くらいは損をしてしまっているので」

 世界選手権には「すべてを詰め込んで練習をやりきった」という気持ちで臨んだ友野。だが、今回の国別対抗戦はアイスショーで時間をとられ、十分に練習ができていない状態だった。

「練習ができなかったことへの不安もあったけど、同じ日程の他の選手たちはしっかりやりきれているので、僕の弱いところ。これからはもっともっと自分の基礎力を上げていかなければいけないと思います」

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