臥薪嘗胆。樋口新葉は五輪出場とメダルまでの距離を計算している (2ページ目)
フリー演技の樋口。7位と実力を出し切れなかった 愛知国体において、樋口は昨年11月のNHK杯で成功(*4分の1回転不足)した大技トリプルアクセルをあえて跳んでいない。
それよりも、後半に基礎点が1.1倍になるところで、「3回転ルッツ、3回転ループを狙う」という実験的な内容を組んでいる。結局、どちらも結果は出なかった。しかし、練習を積んできたサルコウは出来栄え点(GOE)を獲得する形で降りて、自信を持って跳べる手応えをつかんだという。
国体は東京代表として勝負を挑みながら、現状の自分への課題も持って、本来の力を推し量るように挑んだ大会だったと言えるかもしれない。
例えば、SPのフリップは「上がり過ぎたので、調整が必要」と説明。アクセルだけではなく、他のジャンプもディテールまで改善し、自分の最高点を引き出す構成を探し求めているようだった。言わば、試行錯誤というのか。
「今シーズンは、トリプルアクセルの苦戦も(伝えられるが)想定内で、自分が思っていたよりはよかったと思います」
樋口は、自らを俯瞰するように泰然として言った。昨年12月の全日本では、期待されたアクセルがSPも、フリーも不発で7位に終わっている。
「アクセルはいい感触がつかめてきたんですが、他のジャンプが細かいところでミスが出てしまい、点数がなくなるところもあって。アクセルに偏りすぎていたかなとも思います。だから、これからはできることをたくさんやって、それを完璧にしていきたいと思います。コンビネーションも練習して、プログラムにアクセルを2本入れて。それは成功率とか言っている場合ではなくて、もう安定して跳ぶことができるように」
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