羽生結弦が進化させた競技レベルへ一歩ずつ。鍵山優真と佐藤駿の挑戦 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Dreams on ICE 2020

 これまでの日本男子では、シニアデビューシーズンで、SPとフリー同時に複数種類の4回転ジャンプに挑戦することはあまり考えられなかった。

 だが、羽生結弦がサルコウとトーループ2種類を入れたフリーの構成で14年ソチ五輪と世界選手権を制してからは、世界のトップに立つためには複数種類の4回転習得が必須となり、男子はさらなる4回転時代へと一気に加速した。

 鍵山と佐藤は、羽生結弦の活躍を見て育ってきた世代だからこそ、複数4回転挑戦も「当然のこと」としてとらえているのだろう。頂点に立つためには、ジャンプ自体の精度や質を上げるとともに、プログラム自体の完成度も高めていかなければならない。そのことをすでに十分承知しているふたりは、大きな意欲をもってシニア挑戦のスタートを切った。

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