【フィギュア】真央に続くか? 13歳の樋口新葉、世界の舞台へ (2ページ目)

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie
  • 能登 直●写真 photo by Noto Sunao

 一方、ショート4位からの逆転2位に輝いたのは、14歳の坂本花織(さかもと・かおり)だ。ショート、フリーともに「3回転フリップ+3回転トーループ」の大技を成功させ、総合168.82点をマークした。

 ショートの『黒い瞳』では、テンポ良い曲に乗って軽やかな舞いを披露し、ジャンプもミスがなく、57.35点で4位発進。「先生から『目ヂカラを意識して』と言われていたので、ジャッジを魅了できるように演技しました。まずはノーミスで出来たことが嬉しい」という。フリーでは「ロミオとジュリエット」で、ジャンプを次々と正確に決めて3位、総合2位を引き寄せた。

「ショートもフリーもミスなくまとめることが出来て嬉しいです。今は、手を上げて3回転を跳ぶというジャンプを練習し始めているので、全日本選手権までの1か月で練習していきたい」と話し、口元を引き締めた。

 また12月のジュニア・グランプリ・ファイナルの出場が確定しており、「ジュニアの2トップ」と目されていた永井優香(ながい・ゆうか)は、ショート2位につけながらもフリーではミスがあり、168.74点で、悔しさと嬉しさの入り交じる3位となった。

 ショートでは、ダイナミックな「3回転+3回転」を成功させ、61.49点での2位。ここ2、3年は身長が一気に伸びたためジャンプの修正に追われていたが、成長が安定した今季、ジュニアのトップグループへと躍進した。身長160センチを越えるダイナミックな演技と、ジャンプの高さが魅力の15歳。ショートは『エデンの東』を情感たっぷりに舞い、フリーは『ロンドカプリチョーソ』を力強く奏でた。

「3位は嬉しいけれど、最高の演技ではないので複雑な気持ち。悔しさはファイナルと全日本選手権にぶつけます」と話した。

 大会の台風の目となったのは、13歳の本田真凜(ほんだ・まりん)全日本ノービス2位となり、今大会に特別出場。ショートは愛らしい演技で53.09点をマークして7位発進。さらにフリーは「ダブルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループ」「3回転サルコウ+3回転トーループ」などを成功させて2位。会場の全員からスタンディングオーベーションを受け、総合点167.92点で4位となった。

「素晴らしい高得点で驚きました。全然緊張せずに、ショートもフリーも楽しんで演技できました」と満面の笑みを見せる。5人兄弟の3番目で、兄の太一も有望なジュニアスケーター、妹の望結(みゆ)は芸能界で活躍し、さらに下の妹もスケートを習い始めている。この日は人気もさることながら、実力も本物であることを証明して見せた。

「兄妹が一番のライバル。妹たちには、姉として良い形で大きな大会での活躍を見せる事が出来たし、ケガでこの試合に出られなかった兄の励みになればいいな。目標は18年の平昌五輪での金メダル。出られれば16歳なので、チャンスはあると思う」と力強く語った。

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