層が厚い日本男子フィギュア。羽生結弦に続くのは? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

ジャパンオープンで意欲的な演技を披露した無良崇人ジャパンオープンで意欲的な演技を披露した無良崇人 このふたりを追うのが、無良崇人と小塚崇彦になる。五輪代表を争った昨シーズンは不本意な結果に終わった無良だが、14年1月の四大陸選手権では見事優勝し、存在感を見せてくれた。今シーズン前のアイスショーでも重厚感のある滑りを見せていたが、それを試合にどうつなげてくるか。10月4日のジャパンオープンでは、146・41点で3位に止まったが、最初の4回転トーループを成功した後、ふたつ目の4回転を入れる演技を見せ、羽生や町田に次ぐポジションを自分のものにしたいという意欲を感じさせた。

 一方の小塚は、ジャパンオープンでは2回入れた4回転トーループがふたつともダウングレードになり、他のジャンプのミスも続いて119・51点で6位という結果。だが、「今はシーズンのことしか考えていない」と言う小塚が目標にするのは、シーズン全体を通して自分のプログラムを完成させること。昨シーズン、足の故障で納得のいく練習ができずに不安を抱えていながら、年末の全日本選手権で3位に入るまでに仕上げた底力があるだけに、徐々に状態が上がってくることに期待したい。

 また、今季ジュニアグランプリに出場している16歳の宇野昌磨は、アイスショーで力強さと切れのある滑りを見せていた。発展途上ながら楽しみな存在だ。宇野は9月のジュニアGP名古屋テレビ杯では、フリーで4回転トーループを成功させ、次の4回転トーループは回転不足ながら2回転トーループをつける連続ジャンプにするなど、将来性を感じさせる演技を見せている。来季以降、彼が争いに加わってくる可能性はかなり高いといえるだろう。

 日本男子フィギュアスケートの選手層の厚さは、まだまだ世界のトップレベルにある。今シーズンも、日本人選手がグランプリシリーズの表彰台を賑わすシーンを期待したい。

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