五輪プレシーズン、浅田真央の次のステップは?

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

シーズンの幕開けとなるジャパンオープンに出場した浅田真央シーズンの幕開けとなるジャパンオープンに出場した浅田真央 2014年ソチ五輪のプレシーズンが始まった。10月6日に行なわれたジャパンオープン。日本チームの2年ぶり5度目の優勝に貢献した浅田真央も、シーズンの幕開けに満足のいく滑り出しを見せた。

「シーズンオフにやってきたことをしっかり落ち着いて出せた。初戦ということですごく緊張したが、最後のステップでは観客の手拍子が後押ししてくれて滑り切ることができました。これをスタートとして、2歩でも3歩でもステップアップできるように頑張りたいです」 

 昨年12月に母匡子さん(享年48)を亡くすなど、昨季はなかなかスケートに集中することが難しい状況に置かれ、思い描いた通りの内容や結果を残すことができなかった。そのため今オフは、これまではとることのなかったリフレッシュ休養で心身を整えた。

 そして迎えた今季初戦。前コーチで現在もアドバイザーを務めるタチアナ・タラソワ氏が振り付けた新しいフリープログラムの『白鳥の湖』を初披露。総構成点(演技点)では出場6選手中一番の好評価を受ける出来栄えだった。

 白鳥と黒鳥をそれぞれ演じるフリーのコスチュームは、白とグレーの色使いでシックにまとめた。タラソワ氏が手がけたいくつかのデザイン画から浅田本人が選んだものだという。初陣となったこの日は、白鳥のように可憐に滑り、黒鳥のように激しく力強いステップで観客を魅了。2アクセル(A)+3トーループ(T)のコンビネーションジャンプが2A+2Tになった以外は、安定感のあるジャンプを次々と跳んだ。演技後は会場から大きな拍手とスタンディング・オベーションを受け、舌をちらっと見せるなどはにかんだ笑顔が広がった。

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