井上尚弥の2階級・4団体統一戦を米識者3人が展望 タパレスの大番狂わせのチャンスは? 勝利後の次戦で対戦してほしい相手は? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke

ナム:正直に言うが、このマッチアップにはそこまで興奮していない。井上vsフルトン戦のあとでは"アンチ・クライマックス"に感じてしまう。ただ、この試合(4団体統一戦)が行なわれることの意味は理解している。

ジッテル:井上が2年連続で4団体統一を成し遂げるかどうかが焦点になる。これは、とてつもない偉業だ。タパレスは31歳にして自身最高のボクシングを展開しているが、王座を獲得したアフマダリエフ戦でも井上に通用する技量を示していなかった。

タパレスはパワーがあってフィジカルも強いが、井上がスピードで大きく上回っている。結論を言うと、今戦は"素晴らしいマッチアップ"というよりも、"偉大なボクサーの戴冠式"と呼べるような戦いになるだろう。予想通りの結果に終われば、井上は2023年の年間MVP(Fighter of the Year)の栄誉を手にするはずだ。

2. 試合の展開はどうなる?

アイデック:私は井上のほとんどの試合でKO勝ちを予想してきたが、今回も例外ではない。スピード、パワー、技術をハイレベルで備えたフルトンを完璧な形で叩きのめしてしまった"モンスター"は、タパレスもKOするだろう。井上はわずか1年で2階級の4団体統一を完成させ、年間MVPの有力候補に躍り出るはずだ。

ナム:井上の終盤でのKO勝ち。井上のほうがより正確で、よりパワフル。クイックネスにも大きな差がある。

ジッテル:井上がKO勝ちすると見る。タパレスもフルトン同様に優れた選手ではあるが、井上は"史上最高級の軽量級ボクサー"だ。パワー、スピード、正確さ、バランス、タイミングのよさは特別なものがあり、特にバランス感覚に関してはマニー・パッキャオ(フィリピン)さえも上回っていると思う。井上はタパレスにも圧勝し、コンスタントに試合を行なっていることが評価され、パウンド・フォー・パウンドでも再びナンバーワンに推されるだろう。

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