高木三四郎が「ちょっと品がないな」と思っていた女子プロレス 愛川ゆず季との出会いで変化「この人だったら新しいものを作れるんじゃないか」 (3ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

【乃木坂46に見た東京女子の目指すところ】

――高木社長はスカウトも積極的にやられているイメージです。

「坂崎(ユカ)さんと辰巳(リカ)さんは自分から来たんですけど、僕経由だったんですよね。『じゃあ、俺がスカウトすればいいんだ』と思うようになって、最初は伊藤麻希さんをスカウトしました」

――DDT所属ですが、赤井沙希さんもスカウトですよね。赤井さんが毎月DDTを観戦しているという噂を聞いたとか。

「そうそう。噂を聞いて、赤井さんのブログを見たら、確かに『DDTを観に行った』って書いてあって。赤井さんは英和さんの娘さんっていうところと、背が大きかったのが一番の武器。この子は絶対にスーパースターになれるだろうなと思いました」

――高木社長は、女子プロレスのスターを作るにはなにが必要だと思われますか?

「もちろん運動神経とか運動能力も大事なんですけど、伊藤麻希さんなんかまったくなかったですからね。ただ、彼女にはカリスマ性がある。ルックスと若さに加えてもうひとつ必要だとしたら、カリスマ性ですかね。"アイドル性"と言ってもいいかもしれません。もちろん団体内でバランスは必要だと思うんですけど、東京女子は今、すごくいい子が揃っています」

――高木社長から見た、東京女子プロレスの魅力とは?

「いっぱいあるんですけど、一番は距離感がすごく近いこと。東京女子って旗揚げの時からそんなに大きい会場でやってないですし、物販は必ず選手全員が出るとか、推したくなるものを持っている。これが実は、すごく大事です。距離感があったほうがブランディング的にはいいのかもしれないですけど、推したくなる何かを持っているのはすごく大きい。東京女子の選手は、全員にそれがあるんですよ。試合を観ていても感情移入しやすくなると思います」

――距離感はものすごく近いですよね。選手のみなさんが、ファンの顔と名前を覚えていたりして、すごいなと思います。

「昔の女子プロレスは髪の毛を引っ張り合うような感じだったんですけど、東京女子はそういうのがないんですよ。だからすごく安心して観られるし、爽やかなんですよね。アスリートの人たちが頑張ってひとつのものを作り上げている感じがしていて、それが『感情移入しやすい』というところと合わさって、すごくのめり込むものを作れていると思います」

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