井上尚弥・拓真のいとこ、浩樹が目指すは2階級王者 「オタクボクサー」としてラスベガスで叶えたい夢も語った (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

【一階級上のウェルター級にもライバル】

――4月8日の有明アリーナ大会では、WBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチで、チャンピオンの佐々木尽選手が挑戦者で元王者の小原佳太選手に衝撃の逆転KO勝利。浩樹選手も意識する階級で、すごい試合が行なわれました。

「佐々木選手は強かったですね。まだ21歳と若いですし、カリスマ性というか、スターの要素を感じました。気持ちが強く、ダウンしても効いてない素振りをしたり。相手からしたらあれは嫌ですよ。僕も学ばなきゃいけない部分です」

――佐々木選手は、普通に歩いて距離を詰めて殴り合いにいくような、豪快なファイトスタイルですね。

「それでいて技術があるんですよ。ディフェンスもよくなっていていましたね。1回目のダウンを奪ったのはボディですし、しっかり上下に打ち分けることができて、最後は上で決める。顔一辺倒ではない、技巧派な部分も見えました。おそらく、かなりスパーリングを重ねて身体に染み付けた技術だと思います」

――将来的に、佐々木選手と闘う可能性も?

「やれたら面白いな、と思います。僕がスーパーライト級で世界のベルトを獲り、佐々木選手もウェルター級のベルトを巻いて、その上で闘えたらいいですね」

【"オタクボクサー"が目指す夢】

――浩樹選手は自身のSNSで、ラーメンの写真をよく載せていますね。減量には"天敵"のような気がしますが......。

「それは、けっこう周りからも言われますね。試合の1カ月半くらい前からは食べないんですけど、それまでは月4、5回くらい食べています。必ず食べた時には投稿してるので多く感じるのかもしれませんが......ただ、週1は食べていることになるので、多いは多いのかも(笑)」

――復帰戦後の計量クリア後は、お粥の写真をアップしていましたが、どんな気持ちで食べるんですか?

「僕は8.5~10キロくらい落とすんですが、とにかく計量をパスすることに全力を注いでいるので、本当にホッとして食べています。減量がキツい時はくじけてしまいそうにもなるけど、そこはプロなので絶対にクリアしなきゃいけない。

 ご飯を食べる前に、計量後にまずは水をゆっくり体に入れて、胃や腸を回復させないといけないんですけどね。それを経て、やっと口に運ぶお粥は、本当に美味しくて感動します。塩分などは全部カットされているんですけど、味わい深いんですよ」

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