「女子プロレス=アイドルっぽいを覆したい」WWEで進化したSareeeが日本復帰で見せたい闘い (2ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【日本とアメリカのプロレスの違い】

――日本とアメリカのプロレス、両方経験してどこが違いましたか?

Sareee:アメリカでは、カメラワークなど「魅せること」に気を遣いました。私が日本でやっていたプロレスは、対戦相手より先に立ち上がるなど、「速く動いて隙を与えないプロレス」。でも、それをWWEでやると、お客さんは何をやっているのか理解できない。「こう動いたら見やすい」「この技は伝わりやすい」と視聴者や観戦者を意識しました。

これまでのプロレス人生を振り返ったSareeeこれまでのプロレス人生を振り返ったSareeeこの記事に関連する写真を見る――アメリカは練習方法やトレーニング方法も違いましたか?

Sareee:全然違います。WWEのパフォーマンスセンターは、リング練習やウエイトトレーニングなどがレベルごとにクラス分けされていて、それぞれに特化した専門のコーチがいます。日々の身体作りがいかに大切なのかを学びました。

――2022年2月には、「太陽ネックレスをつけると何でもできる」という、日本のアニメをモチーフにしたキャラクターに変更されました。あれはSareee選手から提案したんですか?

Sareee:あれは会社からの提案で、私は女子高生姿で登場して変身するキャラになりました。WWEにはたくさん選手がいますが、キャラクターを与えられる選手はひと握り。期待してもらっていることを感じました。

――WWEで闘っていた期間の、アメリカでの生活はどうでしたか?

Sareee:大変なことも多かったですね。日本からWWEに行ったレスラーの多くは、夫婦やご家族で渡米していますけど、私はひとりだったので。普段の買い物や、家を借りる時の細かい手続きなどもまったくわからないし......。

 当然、周りはアメリカ人選手で、なかなか考え方が合わないこともありました。例えば日本人選手は、孤立した外国人レスラーがいると一緒にご飯を食べたりと気を遣いますが、アメリカ人選手は「人は人、自分は自分」。冷たいというわけではなく、それが当然なだけなんですが、慣れるまでは苦労もありました。

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