井岡一翔の強さの理由を内山高志は「脱力」と分析。大晦日の勝利の先に待つ中谷潤人戦も語った (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【勝利後は中谷潤人との対戦へ】

 12月23日の会見で井岡は、大晦日の統一戦に勝利した先にある目標について、「最も望んでいるのはエストラーダ選手との試合。一番目標にしてきた選手と、このスーパーフライ級で頂上決戦ができたら、それが一番いいなと思います」と、フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との3団体王座統一戦への思いを語った。

 2階級王者のエストラーダは12月3日、元4階級制覇王者の"ロマゴン"ことローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に判定勝利を収め、WBCスーパーフライ級のベルトを獲得した。現在、米ボクシング専門誌『ザ・リング』のパウンド・フォー・パウンドで10位にランクイン(12月10日時点)しているエストラーダと3団体のベルトを賭けた一戦となれば、スーパーフライ級の「頂上決戦」になるだろう。

 ただし、井岡はフランコ戦に勝利しても、WBOから180日以内の指名試合が義務づけられている。相手は、WBO同級1位の中谷潤人(M.T)。中谷は身長172cmと、この階級では長身で左のボクサーファイターで、成績は24戦24勝(18KO)。「ネクスト・モンスター」とも呼ばれる逸材だ。この井岡vs中谷には、内山氏も「これは楽しみ。実現してほしい」と語るように、日本ボクシングファン垂涎のカードになる。

井岡が勝利した場合に指名試合の相手になる中谷(右)photo by Kyodo News井岡が勝利した場合に指名試合の相手になる中谷(右)photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る 中谷は今年10月、2度防衛していたWBO世界フライ級王座を返上して階級をひとつ上げた。そして11月1日、スーパーフライ級での初戦としてフランシスコ・ロドリゲスJr.(メキシコ)と10回戦を戦い、3-0(97-92、98-91、99-90)で判定勝利を収めている。

 内山氏はその試合について、「ロドリゲスJr.はかなり強い選手ですが、内容は完勝でした。まだスーパーフライ級の初戦ですから、これからです。172cmと身長もありますし、さらに上の階級を狙える選手です」と評価。さらに、「ロングレンジはもちろん、ショートレンジも腕を畳んでコンパクトに打てる。ショートアッパーや打ち下ろしの左ストレート、そして独特な軌道で飛んでくる左のロングフック、いろんな角度でパンチが打てるのが魅力ですね」と語った。

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