矢地祐介は「自分の可能性をまだ信じてる」。夢のUFC参戦を目指し、シン・ヤッチくんは「今、格闘技がすごく楽しい」 (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

――確かにサトシ選手は、胸板の厚みなど体の大きさが目立ちますね。

「アマチュア時代、フェザー級時代も含めていろんな選手とやってきましたけど、初めて『デカっ!』っと思いましたよ。たぶん、試合当日は80kgを超えてたんじゃないかな」

――重く大きい相手で、体力的にも相当厳しかったのでは?

「1ラウンドはずっと防戦一方でめちゃくちゃ消耗しました。まぁ、作戦っちゃ作戦だったんですけど。相手は出力が高い選手だから、ずっと凌いで"マラソン"して俺が競り勝つみたいな感じで、疲弊したところを決めるイメージだったんですけど、俺もすごい疲れちゃって。1ラウンドであんなに疲れたのは初めてかもしれない。重たい上に延々とアタックしてくるんで、精神的にも肉体的にも削られました」

――仮に、サトシ選手がUFCで戦ったとしたらどうなると思いますか?

「けっこういいところまでいくと思いますよ。チャンピオンといきなりタイトルマッチとかになったら、むしろ勝つ可能性があるんじゃないかと。1個ずつランキングを上げていく感じじゃなくて、相手がよく知らないうちのほうが。そのくらい強いと思います」

"シン・ヤッチくん"に進化

――矢地選手は、YouTube『ヤッチくんチャンネル』で武術や相撲も学んでいることを公開していますね。総合格闘技に活かせる部分は?

「ダイレクトに影響があるわけではないけど、体の使い方、立ち振る舞い、人間的な部分などで学ぶことは多いです。体の使い方に関しては、師範、達人と呼ばれる人たちになると、みんな理に適っている。流派による違いなどもあるんですけど、言っていることは一緒。そういうところを活かしていきたいですね」

――UFC、ボクシングで闘うことも夢とのことですが?

「もちろん今でも夢は夢なんですけど、"黄信号"が灯っているというか......ホントは26、27歳までにUFCに行ってベルトも獲って、引退してからボクシングに転向ってイメージだったんです。今年32歳で予定はだいぶずれ込んでますし、ボクシングはちょっと難しそうですけど、UFCはまだ目指してる。ここまでは『目指している』なんて言えないぐらいの戦績ですけどね。でも、全然腐ってないし、折れてない。自分の可能性をまだ信じてます」

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