那須川天心vs武尊を語る格闘技好き芸人・鬼越の坂井。注目の若手や「大谷翔平くらいすごい」最強の選手も挙げた (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • スエイシナオヨシ●撮影 Photo by Sueishi Naoyoshi

――井上選手も活躍する、今の日本ボクシング界についてはいかがですか?

「井上選手と、日本人史上2人目のミドル級世界王者になった村田諒太選手が活躍する時代に生きているのが本当に幸せです。村田選手なんて、学年も、下の名前も僕と同じですけど、こんなにも人間として違うものかと(笑)。

 彼らが成し遂げた偉業は、今後100年くらいは達成できる人が現れないかもしれませんね。ボクシング漫画『はじめの一歩』(講談社)の森川ジョージ先生も、2人がやってることは漫画でも描けないほどあり得ない、と言っていました」

天心vs武尊の熱狂と切なさ

――ちなみに、相方の金ちゃんさんも格闘技好きですか?

「いえ、アイツは野球が好きで、横浜DeNAベイスターズのファンです。プロレスや格闘技にはリスペクトがなさすぎて、逆にすごい。例えば、試合前の武尊選手に『天心に勝てるの?』ってサラっと聞いちゃったり、オカダ・カズチカ選手に『プロレスって八百長なの?』って口走ったり(笑)。

 それでも相方とオカダ選手は、釣り仲間なんですよ。オカダ選手は、オフを一緒に過ごすならプロレスに関して何も知らないくらいが心地いいらしくて。僕は『坂井さんはプロレスファンすぎてシンドイっす』って言われちゃいました」

――話は戻りますが、間近で見た天心vs武尊はどうでしたか?

「天心選手がボクシングの技術も駆使して武尊選手に"ケンカ"をさせず、すべてを無力化させたという印象でした。制圧する強さを見せましたが、それでもダウンを取ったことに大きな意味があったと思います。

 ただの判定勝ちだと、さまざまな意見が出てくるし、不完全燃焼で終わった感が出てしまう。しかし天心選手は1ラウンドでダウンを奪ってみせた。本当にアッパレです。でも、試合に臨む武尊選手の覚悟に満ちた表情、試合後の悲壮感を見るとかなり複雑な気持ちになりましたね。高揚ばかりではない切なさがありました」

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