井上尚弥vsドネアの再戦はどうなる? 米記者たちが試合展開や勝敗を予想した (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

サラサール : ドネアは最後までガードを高く上げ、井上につけ込む隙を与えてはならない。第1戦よりジャブを増やし、目先を変えるのもいいだろう。大ベテランのドネアであれば、敵地の騒然とした雰囲気の中でも冷静さを保ち、戦略を落ち着いて遂行できるはずだ。

ジッテル : 軽量級史上に残るハードパンチャーであるドネアは、自身のパワーを有効活用しなければならない。井上はディフェンスもいいが、爆発力で圧倒することが多く、受けに回った姿はほとんど見せたことがない。ドネアとの第1戦では苦戦したが、戦い方を変えなければいけなかったわけではない。聡明なドネアが何らかの策を練り、井上に新たな戦法を考えさせるような展開になれば、攻略の糸口が見えてくるかもしれない。

Q3.井上が勝った場合、この試合後にどんな路線をいってほしいか。

注:5月3日、WBOはジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の王座を剥奪し、暫定王者だったポール・バトラー(イギリス)の王者昇格を発表。今回の取材時はその決定前に行なった。

キム : バンタム級の4団体をなるべく早く統一し、それを終えたらスーパーバンタム級に上げてほしい。ここ数年はコロナ禍の影響をもろに受け、試合数が減っていることが残念だ。井上のように地位を築いた選手は重要度が低い試合をすることが許されず、すべてが大イベントになるから、試合のペースが落ちるのは仕方がないこと。ただ、私はいつもトップランク社の関係者に「あれだけの選手なのだから、年に3、4戦はさせてくれ」と働きかけているんだ。

マラビリャ : バンタム級に残り、4団体統一というやり残した仕事を完遂してほしい。4つ目のベルトを巡る相手がカシメロになるにせよ、バトラーになるにせよ、ドネアとの戦いよりも楽な仕事になるだろう。スーパーバンタム級でも多くの好ファイトが組めるが、井上の歴史的な評価を考えた時に、バンタム級の4団体統一は大きな意味を持つと思う。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る