井上尚弥に次ぐスター候補の中谷潤人。村田諒太vsゴロフキンの前にインパクトを残して「上の階級に」 (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

2階級上の井上も「意識する」

 中谷がスター候補と目されている理由のひとつに、周辺階級、特に1階級上のスーパーフライ級に強豪選手が揃っていることが挙げられる。アメリカでは軽量級の選手が注目を浴びるのは難しいが、この階級でなら注目度が高い試合を行なうことが可能かもしれない。インタビュー後半では、複数階級の制覇も視野に入れる中谷に今後の展望を尋ねた。

――フライ級の体重を作るのは厳しくなってきているとも聞きますが、その点に関してはいかがですか?

「僕としては、フライ級は次の試合で最後にしたいという希望もあります。体重調整の厳しさもありますが、上の階級のほうがよりいいパフォーマンスができるのかなとも感じているので」

――スーパーフライ級には4階級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)、ジェシー・"バム"・ロドリゲス(アメリカ)、井岡一翔(志成)もいますが、最近で印象に残った試合はありますか?

「今年2月のカルロス・クアドラス(メキシコ)対ロドリゲス戦はすごくいい試合で、スーパーフライ級への意識がより強くなりました。あと、マルチネス(メキシコ)対ロマゴン戦では、やっぱりロマゴンがうまかったです。下がらずに自分のペースに持っていく戦い方は『さすがだな』と思いました」

――スーパーフライ級に上げたとして、真っ先に戦いたい相手は?

「誰とでも戦いたいですけど、特にエストラーダとやってみたいですね。パウンド・フォー・パウンドでもトップ10に入っている、すごく評価の高い選手ですから」

――2階級上のバンタム級では井上選手が活躍しています。中谷選手から見た、井上選手の魅力、強さはどこにありますか?

「本当に刺激をもらっていますし、いずれ井上選手と同じような舞台で戦ってみたいです。井上選手の脚を使った細かい距離感の調整は、相手にしっかり合わせているなと感じます。また、1ラウンドごとに相手のことを学んで、それを試合の中で存分に活かすところもすごいですね」

――井上選手のKOシーンは世界レベルでも見事なものが多いですね。

「ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を倒した時のワンツーも、すばらしいタイミングでした。僕はどちらかというと、ダメージを蓄積させてKOするタイプですが、少ない手数で相手を倒すにはどうしたらいいか、というところも参考にさせてもらっています」

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