【柔道】野村忠宏が語る体重別選手権「勝ってリオ五輪出場を決めてほしい」 (3ページ目)

  • 折山淑美●構成 text by Oriyama Toshimi
  • 山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

 100kg超級はともに国際大会で結果を出している原沢久喜(日本中央競馬会)と七戸龍(九州電力)の争いが面白くなっています。この階級は今回の選抜体重別だけではなく、4月29日の全日本選手権を経て代表が決定します。

 これまでの国際大会の実績では一歩リードしていた七戸に、原沢が東京の直接対決で制し、さらに2月のパリでも優勝し、2人が現時点ではほかの選手より上にいる状況です。ロンドン五輪代表の上川大樹(京葉ガス)にも意地を見せてほしいところですが、ふたりの直接対決は大きな見どころでしょう。

 その他の選手で気になるのは、現時点でリオ出場は難しくなっている66kg級の阿部一二三(日体大)です。彼は2020年の東京五輪につなげるために、どういったスタートを切るか注目しています。本人も「阿部を出したかったな」と周りに言われるくらいの試合をしたいと話していましたし、若い選手は勝っていくことがすべて評価につながるので、今からそれを大事にして欲しいと思っています。

 一方女子で最大の注目は、浅見八瑠奈(コマツ)と近藤亜美(三井住友海上)が激しい代表争いを繰り広げている48kg級になります。浅見は初出場だった10年世界選手権で優勝して以降、11年も連覇を果たし、“最有力候補”としてロンドン五輪代表選考会の12年選抜体重別に臨みました。ところが、初戦敗退で福見友子に代表を譲ってしまい、悔しさを味わっています。13年世界選手権で3連覇を逃してから休養に入り、その間に近藤が13年の東京で優勝し、14年世界選手権でも優勝と一気に頭角を現してきました。

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