【柔道】野村忠宏が語る体重別選手権
「勝ってリオ五輪出場を決めてほしい」

  • 折山淑美●構成 text by Oriyama Toshimi
  • 山本雷太●写真 photo by Yamamoto Raita

 4月2日、3日に行なわれる全日本選抜柔道体重別選手権2016。リオ五輪出場の選考となる大切な試合の今大会について、オリンピック3大会連続で金メダルを獲得し、現在はキャスターやコメンテーターなど幅広く活躍している野村忠宏氏に、注目の階級や見どころについて語ってもらった。

体重別選手権の見どころについて語ってくれた野村忠宏氏体重別選手権の見どころについて語ってくれた野村忠宏氏 今大会混戦が予想されるのは、66kg級と73kg級だと思います。66kg級では、2度目の五輪出場を目指している海老沼匡(パーク24)と髙上智史(旭化成)の拮抗した戦いが気になるところです。というのも、海老沼は、昨年12月のグランドスラム・東京(以下東京)で髙上に敗れるまでは、絶対的な強さを誇っていましたが、負けたことで陰りが出ました。しかし、今年の2月のグランドスラム・パリ(以下パリ)では、世界選手権3回優勝、12年ロンドン五輪銅メダリストの意地を見せて、再び強さを取り戻したように感じます。

 選考争いの土俵に立っている選手は、常に成績を出すことが重要です。73kg級では、今年の2月のグランプリ・デュッセルドルフで大野将平(旭化成)の勝ちは大きかったと思います。13年と15年の世界選手権で優勝している彼にとって、昨年12月のグランドスラム・東京の欠場はひとつの賭けでした。

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