金メダル計6個。お家芸「柔道」は復活したと言えるのか? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  photo by AFLO

 一方、女子ではロンドン五輪後から左ひざの治療のために長期休養し、2013年11月に復帰しながらも昨年は世界選手権代表を逃していた52kg級の中村美里(三井住友海上火災保険)が、2011年大会以来の金メダルを獲得。また、昨年の世界選手権で2回戦敗退を喫したロンドン五輪・57kg級金メダリストの松本薫(ベネシード)も2010年大会以来となる優勝を果たし、来年のリオデジャネイロ五輪へ向けての足固めをした。

 こうした世界大会では、チーム全体として早く良い流れに乗ることが必要だ。今年行なわれた他競技の世界選手権でも、競泳では萩野公介の欠場で初日にメダルが獲れず、そして陸上でも「メダルは確実」と期待されていた男子20km競歩の鈴木雄介がケガのために棄権し、その後はともに日本チーム全体が苦戦する展開となった。初日から結果を出してチーム全体の士気が上がれば、メダルラインにギリギリの選手や入賞ラインにギリギリの選手が、その勢いに乗って好成績を残すということはよくある。

 柔道では、チームに勢いを与える役割を、これまで男子60kg級と女子48kg級が担っていた。しかし男子60kg級では、接戦を制して勝ち上がっていた志々目徹(了徳寺学園)が準決勝で2014年アジア大会優勝のエルドス・スメトフ(カザフスタン)に有効で敗れて銅メダル止まり。さらに、過去6大会で日本勢が5回優勝と圧倒していた女子48級でも、前年王者の近藤亜美(三井住友海上火災保険)は4回戦で敗れて銅メダルとなり、2010年大会と2011年大会で2連覇した浅見八瑠奈(コマツ)も決勝でパウラ・パレト(アルゼンチン)に優勢負けで金メダル獲得を逃した。

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