燃える闘魂の用心棒・藤原喜明が語る、「猪木vsアリ戦」秘話 (3ページ目)

  • 長谷川博一●取材・文 text by Hasegawa Hirokazu
  • 平工幸雄●写真 photo by Hiraku Yukio

――結局、試合は15ラウンド闘い抜いてドローでした。

藤原 アリが出したパンチは5発だけだよね。手数からいって俺は猪木さんが勝ったと思ったけど、ジャッジのひとり、遠藤幸吉さんの判定はアリの勝ちだったんだよ。元プロレスラーなのにさ。腹が立って、「なにかもらってるんじゃないか?」なんて思ったよね。試合後は「遠藤を探せ、ブチ殺してやる!」という勢いで会場中を走り回ったものですよ(笑)。でも、今になって考えると、引き分けで良かったのかもしれないね。

――藤原さんにとって猪木vsアリ戦は、どんな闘いなのでしょう?

藤原 みなさん簡単に真剣勝負と言うけど、本当の意味での真剣勝負を御存知ないでしょう? 真剣勝負というのは、生きるか死ぬかなんです。猪木vsアリ戦は、負けたほうがこの世から抹殺されるという闘いだった。アリだってボクシング界を背負い、自分のスタッフの生活を背負っていたわけだから相当なプレッシャーを抱えていただろうしね。俺はボクシング、キック、プロレス......いろんな格闘技を観てきたけど、この一戦が最高の試合ですよ。

藤原喜明(ふじわら・よしあき)
1949年生まれ、岩手県出身。カール・ゴッチに師事した「関節技の鬼」。新日本プロレス、UWF、藤原組を経て、現在もさまざまな団体で活躍。俳優、陶芸などマルチな才能を持つ。最新情報はコチラ→http://www.fujiwarakumicyou.com/

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