『劇場版ハイキュー!!』で日向翔陽役の村瀬 歩が「古舘春一さん、すごすぎない!?」と思いながら演じたセリフとは? (2ページ目)

  • 坂口功将●取材・文 text & photo by Sakaguchi Kosuke

【収録の苦労と、それを乗り越えた楽しさ】

――それにしても、収録がたった一日で行なわれたとは驚きですね。

村瀬 収録が行なわれたのは昨年の10月頃でした。主要なキャラクターを演じる声優さんたちと一緒に収録したのですが、朝の10時に始まって、終わったのは22時。最後のほうはヘトヘトでした。ただ、肉体的にも疲労が溜まった分、レコーディングが終わった時の達成感はものすごかったです。普段はテンションが低めな声優さんも、「部活もこんな感じなのかな!?」と気分が高揚していましたから(笑)。

――収録中の雰囲気はいかがでしたか?

村瀬 『ハイキュー!!』は、アニメの中でもカット数が多いんです。一般的には1話あたりでおよそ240、多くて300ほどですが、『ハイキュー!!』は360くらいあることも。ボールが動くたびに、みんながそこに集中して視線を送る、ボールをつなぐ、打つといったシーンが繰り返されるからです。ボールをレシーブする場面でも、ボールが腕に当たるSE(サウンドエフェクト)だけでなく、レシーブした人の声や息づかいも入れますからね。

 僕が今回参加したレコーディングは13、14人での同時収録。マイクの数は限られているので、入れ替わり立ち替わりで声を入れていくのですが、集まって行なうアフレコ自体が久しぶりだったので全員で助け合いました。芝居とはまた違う集中力が必要なので、ひと息つく度に全員がぐったりしていましたよ。

――今回描かれる烏野vs.音駒の試合自体も、読んでいて息がつまるようなゲーム内容ですが、それと同じようですね。

村瀬 あの苦しい感じは共通するかもしれませんね。僕たちキャストも、リテイク(撮り直し)をしたり、行き詰まったり、逆にいいものが生まれて乗っていったり。周りの声優さんたちにエネルギーをもらって、こちらも返すという芝居の感覚も、スポーツと似ている部分かもしれません。苦しみがあるからこそ、それが楽しさに変わる、という感じです。

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