高橋慶帆ら全日本インカレで躍動した大注目の男子バレー7選手 日本代表でも期待 (3ページ目)

  • 坂口功将●取材・文・撮影 text & photo by Sakaguchi Kosuke

【"二刀流"に挑戦する小さな大エース】

 大学生のうちから世界と触れることは選手自身の成長を促進し、ゆくゆくは日本代表の強化にもつながる。

 その点において、筑波大2年のサイドアタッカー、牧大晃(まき・ひろあき)は今回の全日本インカレ直前に設けられたアメリカの強豪、ハワイ大との交流試合に出場し、サーブやスパイクが非凡であることを証明した。なんといっても、高さがアドバンテージとなるバレーボールにおいて、現在の身長210cmは牧の絶対的な武器だ。

 そのハワイ大との試合では、「コースの打ち分けをさらにできるように」と再認識。全日本インカレでは甲斐とマッチアップする場面もあり、「(甲斐)優斗みたいにスパイクを叩く技術を身につけたい」と自身の成長曲線を思い描く。日本代表には2022年度に初登録。今年は外れたものの、その素質にはやはり期待せずにいられない。

 甲斐、高橋、麻野、澤田ら日本代表入りを果たしている選手から、藤原、牧といった"候補生"まで注目の大学生たちがしのぎを削った全日本インカレ。その学生生活を優勝で締めくくったのが、大会MVPに輝いた早稲田大4年の水町泰杜(みずまち・たいと)。彼もまた、同年代をリードしてきたエースである。

 中学生時代には「JOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会」で熊本県選抜として優勝し、進学した地元の名門・鎮西高では1年生からレギュラー入りを果たすとインターハイ、春高を制覇。身長181cmとバレー選手としては小柄だが、早稲田大でも全日本インカレでの3度の優勝に貢献したほか、個人としてもU-18日本代表やFISUユニバーシティゲームズで日本代表としてプレーした。

 その水町は大学卒業後、ウルフドッグス名古屋でプレーすると同時に、トヨタ自動車でのビーチバレーボールにも身を投じるという"二刀流"に挑戦する。かねてからビーチバレーに強い興味を持っていたが、次のように壮大な夢を語った。

「本当に初心者から始めるので、いけるところまでいきたい。たどり着く先がオリンピックか日本一かはわからないし、具体的なものではないかもしれません。ですが、自分が挑戦することで、後ろに続く世代がインドアとビーチバレーボールを分け隔てなくプレーできるような環境ができれば、それもうれしいです」

 水町はそんな世界を、いつか我々に見せてくれるかもしれない。

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