「男子に比べて女子バレー日本代表は大丈夫か」の不安を払拭できるか 栗原恵がポジション別に評価 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • Photo by FIVB

――大会を全体的に振り返って、まずは課題を挙げていただけますか?

栗原 サーブをすごく強化してよくなっている部分もありましたが、その分リスクも増しますし、得点につなげられる場面とミスをする場面の両方がありました。先ほどのトスに関してもそうですが、精度がすごく大切になります。バックアタックも速くなって、いい状態で打ち切れた時には本当にすごいコンビとして成り立っているんですが、それが常に出せるかといえばそうではない。OQTまで時間は短いですが、どこまで精度を高められているかに注目したいです。

―― 一方で収穫は?

栗原 いろんなことを試して、いいところ、悪いところをすべて出し切れたことじゃないでしょうか。ネーションズリーグは期間が長く、国をまたぐ移動や連戦もある厳しい大会です。各国ともデータを集め、同じ相手と2度対戦することもある中で、気持ちが重くなるような課題も出てくると思うんです。ただ、選手たちはそれと向き合ってOQTに向かって準備をしていると思うので、どんな進化した姿を見せてくれるか楽しみです。

【プロフィール】

栗原恵(くりはら・めぐみ)

1984年7月31日生まれ、広島県出身。小学4年からバレーボールを始め、三田尻女子高校(現・誠英高校)では1年時のインターハイ・国体・春高バレー、2年時のインターハイ優勝に貢献。2001年に日本代表に初選出され、翌2002年に代表デビュー。2004年のアテネ五輪、2008年の北京五輪に出場した。2010年の世界バレーでは、32年ぶりに銅メダルを獲得した。その後、ロシアリーグに挑戦したのち、岡山シーガルズ、日立リヴァーレ、JTマーヴェラスでプレー。2019年6月に現役引退を発表した。引退後はバレーの試合での解説をはじめ、タレント活動など幅広く活躍している。

プロフィール

  • 中西美雁

    中西美雁 (なかにし・みかり)

    名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。現在はweb Sportiva、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行なっている。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)、『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。スポルティーバで西田有志の連載を担当

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