日本男子バレーが目指す「頂点」は夢ではない 石川祐希を中心に見せた「誰が出ても強い」総合力 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

 西田のベンチアウトで、急遽スタートからの起用になった宮浦は、昨シーズンにポーランドのリーグでプレーしていて「思い入れの深い試合だった」が、3得点と思うような活躍ができなかった。宮浦は試合後、「試合直前にスタートからいくことになり、準備不足だったことは否めません。ただ、それは言い訳にはならないので、明日は必ず勝ちます」と宣言した。

 悔しい結果となったが、ポーランド戦ではファイナルラウンドからA代表入りした20歳の西山大翔が衝撃のデビューを飾った。第2セット終盤にリリーフサーバーとしてコートに立ち、ノータッチエースを決めて見せたのだ。西山は試合後、冗談を交えながら次のようにデビュー戦を振り返った。

「A代表に呼ばれた時は......正直に言うと『あれ?』と思いました。B代表でけっこう長くイタリア遠征をしていて、『やっと帰国できる!』と思っていたので(笑)。それでも、こんな機会をいただけるのはすごいことですし、ワクワクしていました。スロベニア戦でも、第2セット以降に点差が開いた時に『出させてもらえないかな?』と思っていて。今日は思い切りいいサーブが打ててよかったです」

 南部正司強化委員長も、「西山は練習ではさっぱりサーブが入らなかったのに、本番であんなすごいサーブ打ってびっくりしました」と笑顔を見せ、「明日もやってくれるでしょうね」と期待をかけた。

 そのイタリアとの3位決定戦、第1セットの立ち上がりはイタリアに連続得点を許したが、5連続ブレイクで逆転し、宮浦の連続サービスエースなどで突き放す。イタリアも終盤に4点差に詰め寄ったが、調子が上がらなかった髙橋に代わって投入された大塚達宣がラリーを制するなどして同セットを先取した。

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