石川祐希が考える、今の日本代表に必要な「チーム力」 10代の新戦力には「先輩に助けてもらえると思うな」 (2ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki
  • Photo by 日刊スポーツ/アフロ

【厳しい場面では「自分で乗り切ってもらうしかない」】

――あえて厳しく、高いレベルを求めていくということでしょうか。

「厳しく思われるかもしれませんが、あくまで普通のことです。今はプロ選手が多くなり、自分の責任は自分で取るという選手ばかりになりました。どの選手に言っても納得してもらえると思います。

 誰かを助けることに労力を使ってしまうと100%のパフォーマンスを出せなくなる。全員が自分の100%のパフォーマンスを出すこと。それに加えて、『自分がやってやる』という気持ちを全員が持って試合に臨むことが、今季は特に必要だと思っています。それもチーム力に繋がっていくと考えるからです」

――ご自身も18歳から日本代表に入って、多くの経験を積んできました。それをふまえて、若手に「先輩たちが助けてくれる」という考えではいないでほしいと思うのですか?

「僕が若い時は先輩に助けてもらっていました。ですが、厳しい場面では助けてもらえないこともあります。そういう時には自分で乗り切ってもらうしかない。先輩に頼るのではなく、自分でやるというスタンスでやらないと厳しい場面は乗り越えられません。

 もちろん、困ったり、できないことがあったりしたら助けようと思っています。ただ、彼らが『先輩に助けてもらう』ことが前提だと困ります。『誰も助けてくれない、自分でやるしかない』という思いでやってもらわないと、チームとして強くなれません」

――甲斐選手は同じポジションの選手でもあります。

「技術的には不足している部分もありますが、高さがあることが一番の魅力だと思います。身長(200cm)が高くてパスもできますし、サーブもいいですし、球もしっかり叩くことができる。これからどんどん成長していくでしょう。

 口数が少ない選手なので、技術に加えて、それ以外のコミュニケーションなどもこの代表活動で学んでもらえれば。年齢的には、チビタノーバ(イタリア1部リーグ)にいるブルガリア代表の(アレクサンダル・)ニコロフ選手が同じです。そういった選手と張り合えるようになってほしいですね」

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