西田有志、2年ぶりのVリーグを語る。妻の古賀紗理那とは「バレーの話ができるのはすごくいい」 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 火野千鶴photo by Hino Chizzuru

【妻の古賀紗理那との結婚生活は「居心地いい」】

 Vリーグでプレーオフに進出できるのは、全10チームの中で上位4チームのみ。2月12日現在でジェイテクトは6位だが、勝ち数、ポイントともに、上位6チームまでは混戦模様となっている。そこから抜け出すために、ジェイテクトに必要なものは何だろうか。

「とにかく勝つこと。選手全員が、それに向かうことです。そういう意味で、今のジェイテクトは一番勝ちに貪欲なチームだと思います」

 原因不明の体調不良、プレー環境の変化などが重なる状況で、同じくVリーグでプレーするパートナーの存在は頼もしかっただろう。

 2022年の大みそか、西田と女子バレー日本代表の主将・古賀紗理那が、それぞれのSNSで結婚を発表したことは、すべてのバレーボールファンを驚かせた。「本当にたくさんの『おめでとう』をいただいた」とのことだが、結婚後に変化を感じることはあったのか。

「今のところ、結婚して変わったことは特にないですね。僕も彼女も現役選手で、シーズンの真っ最中ですし。でも、もうひとりだけの体ではないですし、自分だけで判断をするのではなく、いろんなことを相談するようになっています」

 アスリート同士、しかも同じ競技でプレーする選手同士。しかし、結婚生活で難しさを感じることは「ないです」と断言する。

「料理はお互いに作りますね。2人ともアスリートに必要な栄養もわかっていますし、オフでも体にいいものをチョイスして食べるようにしています

 プレーについても、ポジションが違いますし、考え方も違うので"口を出す"ことはないです。『こうしたほうがいいんじゃない?』という前向きなアドバイス、提案みたいなものは時々しますね。バレーの話ができるのはすごくいいですし、それ以外のところでも、価値観や趣味なども合うので一緒にいて居心地いいです」

 具体的に、西田からアドバイスしたことについてはこう振り返った。

「『トスが合わない』という話になった際には、自分の経験を踏まえて、そんな時に意識していることを伝えました。

 セッターが100パーセントでいいトスを上げることは不可能。高さやテンポなどが少し違うこともたくさんあるけど、自分がそのトスに合わせにいくのではなく、すべてのボールに対して全力でアプローチできる準備をすることが1番大事なんじゃないか、という話をしましたね。スパイクをどう打つか、という話もしますが、そこに至るまでのアプローチの部分を話すことが多い気がします」

 互いを支え合う存在ができた西田は、1月30日に23歳の誕生日を迎えた。まずはリーグ、その先にある日本代表で、さらなる飛躍を遂げてくれることを期待したい。

【プロフィール】
◆西田有志(にしだ・ゆうじ)
2000年1月30日生まれ、三重県出身。身長186cm。ポジションはオポジット。V.LEAGUE DIVISION1 MENのジェイテクトSTINGSに所属し、2018-2019シーズンに最優秀新人賞、2019-2020シーズンに最高殊勲選手賞、得点王、サーブ賞を受賞。昨年は海外に挑戦し、イタリア・セリエAのヴィーボ・バレンティアでプレー。今シーズンは2年ぶりに古巣に復帰した。日本代表には2018年4月に初招集。以降、左のエースとして東京五輪など国際大会で活躍を続けている。

■西田有志 YouTube公式チャンネル
『YUJI NISHIDA CHANNEL』
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