西田有志、2年ぶりのVリーグを語る。妻の古賀紗理那とは「バレーの話ができるのはすごくいい」 (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 火野千鶴photo by Hino Chizzuru

【柳田や関田らとの連携力がアップ】

 その言葉通り、チームは天皇杯後に調子を上げて勝利を重ねている。西田も試合に出続け、代名詞にもなっているサービスエースも量産。西田本人も「元気にプレーできていますし、問題はないです」と力強く語った。

「天皇杯の優勝はあくまで"きっかけ"にすぎません。全員でいい練習を繰り返し、いい準備ができたことが今の結果につながっている。その中で新たな課題も出てくるでしょうけど、ひとつずつ乗り越えていきたいですね」

 西田やセッターの関田など、日本代表の活動でチームを離れる選手、新加入の選手も多かったため、チームの連携を深める時間が足らなかったのだろう。シーズンが進むにつれて、徐々にチームが固まっていったように見える。

「本当にその通りだと思います。言い訳にはなってしまいますが、(開幕前に)もっと時間があったらシーズンのスタートから違ったかもしれないですね。でも、今になって勝ちが増えているのは、それぞれが嚙み合ってきている証拠。もともと、嚙み合わない部分を全員でカバーすることがチームコンセプトなので、より勝てるチームになっていくと思います」

 ジェイテクトにはチームをまとめられる、経験豊富な選手も多い。かつて日本代表で主将も務めた柳田もそのひとり。西田と柳田がチームメイトとして戦うのは、2021年の代表チームでプレーして以来。Vリーグでの"共闘"に何を感じているのだろうか。

「あらためて、本当にストイックでプロフェッショナルだと感じます。将さんはひとつひとつの物事に関する考えが深い。具体的には、得点の場面を含め、すべての結果につながる原因、プロセスを大切にしている感じですね。それがプレーの質の高さにつながっていますし、一緒にやっているとすごさを再認識することばかりです。僕はその時の感覚でやってしまう部分もありますけど、細やかに考える部分も取り入れていきたいです」

 現在の日本代表の司令塔でもある関田とは、今シーズンの序盤にコンビが合わない場面も見られたが、「あれは、すべて自分が悪いです。コンディションもよくなくて、いいトスを上げてくれていたのに決め切れませんでした」と振り返った。

 また、スロベニア代表のウルナウトもなかなか持ち味が発揮できていなかったが、「よくなってきている」と心配はしていない様子だ。

「彼はチームのプレーコンセプトにフィットするまでに時間がかかったのかもしれません。初めての日本でのプレーで、コンディション調整も難しいと思います。でも、もともとコミュニケーションをよく取る選手ですし、パフォーマンスはもっとよくなると思います」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る