元男子バレー日本代表の福澤達哉が語る、「ブランジャパン」主将・石川祐希の変化と、進化のカギを握るミドルブロッカー陣 (4ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

【Vリーグで上位を争うチームの印象】

――続いて、Vリーグについて伺います。上位争いをしているチームの印象はいかがですか?

福澤:各チームの外国人選手が世界トップレベルで、男子はどのチームが勝ってもおかしくないですね。その中で、(2月2日時点で)1位のウルフドッグス名古屋は、昨年とほぼメンバーが変わらずに完成度が増した印象です。非常にスキルの高い選手が多く、クレク・バルトシュ選手という大エースもいますから、セッターの永露元稀選手がどれだけ安定してトスを上げられるかがカギになりそうです。

 現在2位で、3連覇を目指すサントリーサンバーズは、大砲のドミトリー・ムセルスキー選手とセッターの大宅真樹選手がリーダーシップを取っていますね。そんな中で21歳のデ・アルマス アライン選手なども得点を重ねています。

 3位の堺ブレイザーズも調子がいいですね。昨年から、オポジットのシャロン・バーノン エバンズ選手が非常に当たっています。これまでは、グッとチームを引っ張れる選手がいなかったことが課題でしたが、そこにベテランの深津旭弘選手が入った。それによって、ベテランと若手がバランスよく、安定して活躍できているように思います。

――福澤さんが所属していたパナソニックは5位ですが、チームの状況をどう見ていますか?

福澤:前半戦は厳しかったですね。主力選手の年齢が上がってきているので、なかなか爆発力を出すことが難しくなってきている。ただ、年明けに大学生の大塚達宣選手やエバデダン・ラリー選手がチームに合流して、立て直せている部分もあると思います。ベテランが土台となり、若い選手が躍動するようなチームバランスになれば、巻き返しも可能だと思います。

――洛南高校の後輩であり、日本代表でもパナソニックでも福澤さんの背番号を受け継いだ大塚選手の印象は?

福澤:本当にクレバーで、ひとつひとつプレーをよく考えながらできる選手です。チームの苦しい状況も理解した上でさまざまなアクションができる選手なので、年齢やキャリアなどは関係なくパンサーズを引っ張っていってもらいたいですね。

 同じ大学生として東京五輪に出場した、髙橋藍選手のセリエAでの活躍は刺激にはなっていると思います。先ほども言ったように、Vリーグも外国人選手をはじめ、レベルが高くなっているので焦らずに個のスキルを伸ばしていってほしい。加えて、チームメイトのミハウ・クビアク選手のように"チームを勝たせる選手"になっていってほしいです。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る