元男子バレー日本代表の福澤達哉が語る、「ブランジャパン」主将・石川祐希の変化と、進化のカギを握るミドルブロッカー陣 (3ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • photo by FIVB

――それは、イタリアで長くプレーしていることの影響もあるでしょうか。

福澤:世界のトップレベルの選手に学ぶことはあったでしょうね。例えばブラジル代表のセッター、ブルーノ・レゼンデ選手もそうです。直接は点数を取れないポジションだけど、誰よりも声を出してアクションを起こしている。石川選手はセリエAのモデナでブルーノとチームメイトでしたし、"リーダーシップとは"というのを肌で感じたはずです。現在、石川選手はミラノでも中心選手になっていますが、チームメイトたちがプレー以外の部分もリスペクトしているということだと思います。

 チーム内で絶対的な存在になっている選手は、調子が悪くても相手チームが「何かやってくるんじゃないか」と警戒をするものなのですが、それはコート上での立ち振る舞いやアクションなどがそう思わせる部分もあります。石川選手はスキルやプレーじゃない領域にも目を向けるようになったんじゃないでしょうか。

――世界の強豪国を上回るために、チームとしてさらに進化が期待できる部分はありますか?

福澤:昨年の国際大会を見ての個人的な見解ですが、2段トスに対する3枚ブロックの完成度は伸びる余地があると思います。日本代表はサーブがいいわりに、ブロックによる得点数が少ない。手の出し方やタイミング、ミドルブロッカーの詰めの速さを向上させてブロックを強化すると、世界との差がさらに埋まっていくと思います。

 さらに、またミドルブロッカーへの期待になってしまいますが、ミドルのサーブ力を高めていきたいですね。ミドルのビッグサーバーがサーブでエースを取ることは、現代バレーでは当たり前になってきています。日本のミドル勢も、フローターサーブでエースを取ったり崩したりするシーンは非常に多くなってきていますが、ビッグサーバーが1、2人でも出てくるとさらに面白くなりそうですね。

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