【女子バレー】故郷・熊本に元気を! 19歳・古賀紗理那が誓うリオ出場

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

記者会見では何度も故郷・熊本への思いを口にした古賀記者会見では何度も故郷・熊本への思いを口にした古賀 オリンピック世界最終予選(OQT)を直前に控えた古賀の心境を聞いてみると、「普通ですよ」と穏やかに微笑む。古賀の地元は熊本。地震は練習後にデータを確認しているときに知った。すぐに実家や友人に連絡を取り、無事を知って胸をなで下ろした。しかし、大きく崩れ落ちた熊本城は通っていた熊本信愛のすぐ近く。熊本信愛では2つある体育館のひとつが使えなくなる被害を受け、3週間の休校を余儀なくされた。

「知っている場所が崩れてしまって、すごく心配だったし、今でもすごく大変な思いをされている方も多いので、早く元通りの生活が送れたらいいなと思っています。私が今できることは、被災された皆さんにバレーボールで元気を届けることだと思っているので、しっかりバレーボールで頑張ってる姿を見せたいです」

 被災した故郷を気遣う一方、練習は練習でメリハリをつけながらも「自分が安全にバレーボールをできる環境にいることに、とても感謝しています」という古賀。OQTにかける思いを一言で、というリクエストに「掴み取る」という力強い答えが返ってきた。「熊本の皆さんのためにも、絶対にリオ五輪の出場権を掴み取りたい」。
 
 本格的に全日本で活動するのは2年目になるが、「去年は初めてのことをいろいろ経験させてもらって、世界の高さにも慣れたし、新しい発見もたくさんありました。スパイクひとつとっても、国内と違って甘いコースでは決まらないとか、高いところからのサーブは、手元に来るときに揺れるとか。今年は2年目になるので、去年の経験を活かしたい。責任も去年よりあると自覚しながらやっています」

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