ラグビー日本代表、次の指揮官の本命はエディー・ジョーンズ? 対抗馬は誰か (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【スピアーズをリーグワン優勝に導いた手腕は?】

 一方、昨季のリーグワンでスピアーズを初優勝に導いたルディケHCは南アフリカ出身の55歳。選手時代はバックロー(FL、No.8)だったが、ジョーンズHCと同様に国際舞台で選手として華々しい活躍はしておらず、コーチとして着実に実績を積んできた指揮官だ。

※ポジションの略称=HO(フッカー)、PR(プロップ)、LO(ロック)、FL(フランカー)、No.8(ナンバーエイト)、SH(スクラムハーフ)、SO(スタンドオフ)、CTB(センター)、WTB(ウイング)、FB(フルバック)

 2000年に南アフリカ代表のアシスタントコーチを務め、その後HCとして経験を重ねたのち、2008年からスーパーラグビーのブルズHCに就任。2009年〜2010年には連覇を達成したことで、名将の仲間入りを果たした。2015年ワールドカップではフィジー代表のFWコーチも務めている。

 スピアーズの指揮官となったのは2016年。当初は文化の違いなどで苦労したが、2018年から上昇曲線を描き、昨シーズンついに悲願の日本一となった。

「7年間の積み重ねがあるからこそ、特別な瞬間が生まれた。基本的に同じようなことを繰り返してきました。ハードワークの末に手に入れたすばらしい結果です」

 この丹念な積み重ねの実績こそ、ルディケHCの手腕が評価される点だろう。日本人選手の若手やベテランだけでなく、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、トンガの世界的な選手たちをまとめ上げた。

 元日本代表CTB立川理道キャプテンは、ルディケHCが作り上げたチームを「アットホームでファミリー感が強い」と語る。また、ルディケHCを招聘する際に「日本一のFWを作ってほしい」とお願いしたクボタの石川充ゼネラルマネジャーも、「長期的にチームを作り上げる、文化をじっくり作っていくタイプで、シンプルに正しいことを求める人」と評する。

 ルディケHCはスタッフやリーダーと1対1でじっくりと話し合い、それぞれの仕事をリスペクトし、その役目を任せることにも長けているという。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る