元ラグビー日本代表・真壁伸弥が唱えるイングランド戦勝利のカギ 相手の長所と「真っ向勝負」 (2ページ目)

  • 齋藤龍太郎●文・撮影 text & photo by Saito Ryutaro

──ハーフ団に関して、大会前はSH(スクラムハーフ)齋藤直人選手とSO李選手の若手ハーフ団の起用が目立ちましたが、大会本番ではSH流大選手とSO松田選手の組み合わせになることも十分考えられます。

「僕もまさにその組み合わせがいいのではないかと思います。そのコンビではないとしても、どちらかのベテラン(SH流、SO松田)をミックスさせた組み合わせにしたいところですね。もちろんSH齋藤選手もスキルの高いすばらしい選手なのですが、SH流選手の方が裏(のスぺース)や選手の行動など状況をよく見ていますので、僕は流選手の方がいいと思っています」

──東京サンゴリアスでは齋藤選手が先発し、流選手はリザーブに回る機会が増えています。

「あくまで僕個人の考えですが、齋藤選手のスキルは極めて高く、最初からやろうとしたミッションを遂行する力は群を抜いています。チームとしてこれをやろう、という時にそれにしっかりとコミットできるので、重宝されているわけです。

 流選手が後半から出てくることが多いのは、これも僕の考えですが、全体を見渡して『どうやったら勝てるか』という判断ができる、つまり状況に応じて柔軟に対処できる選手だからです。周りの選手の特徴を肌で感じて理解しながらプレーしています。それってすごく大事なことなんです」

──そういう意味ではこれまでの経験値も大事になる大会になりそうです。

「今大会は前回の日本大会と違ってアウェー(国外)です。もちろん実際に現地でやってみないとわからないことですが、やはり経験値が必要な大会になるでしょう」

──2019年大会はホームという地の利を生かして日本代表史上最高の8強、決勝トーナメント進出という結果を残すことができました。

「日本開催でしたから、何としても大会を成功させるという強い思いがバックグラウンドにあったので、勝つという目的意識が自ずと芽生えていたと思うのですが、今回のフランス大会は何のために戦うのか、それを選手一人ひとりがどう考えているかがさらに重要になってくると思います。

 ラグビーワールドカップはメンタルの勝負だと僕は思っています。そこで一番大事なのは、繰り返しになりますが"何のためにやるのか"に尽きます。日本大会はそれ自体が勝つ目的になっていましたが、今回の2023年大会は何のために勝つのか、今はまだ外から見ている限りそれがわかりづらいというのが率直な思いです」

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