ラグビーW杯ライバル分析《前編》 初戦チリの弱点とは? イングランド戦で再び「奇跡」を起こすカギは? (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by AFLO

【2015年「ブライトンの奇跡」再現なるか】

 それに加えて、イングランドはキャプテンのSOオーウェン・ファレルが8月12日のウェールズ戦でレッドカードを受けて、日本戦まで出場停止となった。イングランドには過去一度(対戦成績0勝10敗)も勝ったことはないが、日本がつけ入る隙はあるはずだ。

 日本が2018年11月にアウェーで対戦した時は15-35と善戦したものの、2022年11月のテストマッチでは13-52の大敗を喫している。敗因はフィジカルやセットプレーで前半から後手を踏んだことだった。

 日本が格上相手に勝つには、やはり接戦しかないだろう。相手が武器とする接点やセットプレーでどこまで勝負できるかが最大の焦点であり、日本は6月の浦安合宿から準備を進めてきた。

 2015年大会で日本が南アフリカを下した「ブライトンの奇跡」のスコアは34-32だった。2019年大会でアイルランドとスコットランドに勝った試合はそれぞれ19-12、28-21と僅差だった。

 やはり勝利のカギは、失点をいかに抑えることができるか──。イングランド戦でも「奇跡の再現」を狙いたい。また、もし負けたとしても、予選プールから勝ち上がるためには「7点差以内の敗戦」で勝ち点1を挙げることも必要となるだろう。

(後編「サモア&アルゼンチン」につづく)

◆ライバル分析・後編>>「サモアの穴は?」「アルゼンチンは残り20分で7点差が勝負」

プロフィール

  • 斉藤健仁

    斉藤健仁 (さいとう・けんじ)

    スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。

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