ラグビー日本代表・長田智希の座右の銘は漫画『NARUTO』の台詞 23歳のCTBはワールドカップ最終メンバーに生き残れるか? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【花園優勝→早稲田大で主将】

 試合の結果は、最終的に27-41でノーサイド。

「ワールドカップを完全な形で戦うには、あと6〜7週間はかかると思っている。小さなミスを犯して失点するのをやめなければならない。ワールドカップまでは、まだ長い道のりだ。ただ、自分たちのやり方を積み上げていくだけ」

 ジョセフHCは試合を振り返ったのち、長田のプレーを手放しで褒めた。

「彼はこの1週間、チームのために大きな仕事をした。これまで多くのテストマッチに出場している中村亮土(東京サントリーサンゴリアス/CTB)に変わり、今日は若い長田が非常にいい働きをした。そして、得られる可能性のあるチャンスをすべてものにした。長田は体格にそれほど大きくない(179cm)が、とてもフィットしていて強く、将来性もある」

 先週の国内1戦目で、長田は初めて桜のエンブレムがついたジャージーでプレーし、「緊張は今までで一番大きかった」と語っていた。ただ、2戦目は緊張する様子もなく、「前回よりスムーズに入れた。(世界トップクラスを相手に)自分でもできると思う」と胸を張った。

 CTBとして決して大きくない身長ながら、自分の武器には自信があるという。代表合宿では「センターは高いスキルを求められるが、ボールを持って縦に出ることは自分の強み」と語っている。

 京都・大山崎町出身の長田は、小学3年生の時に同級生だった笹岡海斗(マツダスカイアクティブズ広島/WTB)に誘われてラグビー競技を始めた。その後、大阪・東海大仰星に進学すると1年生ながらリザーブ入りし、3年時はキャプテンとして花園優勝を経験した。

 早稲田大でもU20日本代表に選ばれるなど活躍し、2年生の時は大学選手権の優勝に貢献。最終学年ではキャプテンを務め、昨季から埼玉ワイルドナイツに加入した。

 長田は社員選手として働きながら、日本トップレベルの環境で研鑽を積んだ。全体練習のあとに個人練習も加えるなど、ハードなトレーニングを重ねたことでついにチャンスを掴む。

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