高校ラグビー花園開幕。史上4校目の「高校3冠」に挑む兵庫・報徳学園を阻むライバル校はどこか (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

【五郎丸の母校はダークホース】

 その仰星に昨季の花園決勝で負けた國學院栃木(栃木/23大会連続28回目)も注目すべき高校のひとつだろう。昨季は高校代表候補0人ながら栃木初のファイナリストとなった。

 今季は準優勝を経験した選手も多い。チームの中軸は「之介コンビ」。視野が広くスキルに長けたキャプテンSO伊藤龍之介(3年)と、ランとスピードが武器のFB青栁潤之介(3年)だ。伊藤の兄・耕太郎は明治大3年のSOで、青栁の父・勝彦は埼玉ワイルドナイツのコーチを務めている。

 伝統的にスクラムやモールのセットプレーが強く、PR木村陽太(3年)を中心にFW陣はハードワークが身上。栃木県予選決勝では佐野日大を153-0で一蹴するなど、調子は上向きである。

 昨季決勝で仰星に敗れた経験を糧に、吉岡航太郎コーチは「(昨季の)花園ではディフェンスで勝ち上がったが、得点を取らないと勝てない。アタックを整備してきた」と話すように、得点力アップに努めてきた。「自分たちのできが優勝につながる」と話す伊藤主将を中心に、今季こそ日本一を目指す。

 そして5校目は、Bシードの佐賀工業(佐賀/41大会連続51回目)を挙げたい。元日本代表FB五郎丸歩の母校としても有名。昨季は10年ぶりにベスト8進出を果たし、今季は春の選抜でもベスト4に入るなど上昇気流に乗っている。

 昔から力強いFWを武器とするチームで、LO楠田祥大(3年)やLO岡亮太(3年)など190cmオーバーの選手を4人揃えてラインアウトに絶対の強さを見せる。また、SO服部亮太(2年)とFB井上達木(2年)のロングキッカーを活かして相手陣でプレッシャーを与えたい。そこから副将CTB後藤翔大(3年)やCTB大和哲将(2年)の高い得点力で勝機を見出す。

 チームが大事にしている言葉は「モメンタム(勢い)」。今季は縦にも横にも強くなっただけに、昨季のベスト4以上を狙う力は十分にある。

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