リーチ マイケルが語る。「ジャパンが目指すラグビーは精密機械」 (3ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 高見博樹(T&t)●写真 photo by Takami Hiroki(T&t)

――その後はエディーさんの注文も変わったのでしょうか。

「少し(笑)。4月か5月の合宿から、プレーだけじゃなく、ほかにも集中しないといけない、と言われたのです」

――チームをまとめろと。

「そうです。全員がジャパンのラグビーを理解するようにしてくれと。サインプレーはこうだとか、チームのスタンダードを落とさないようにと」

――ジャパンのラグビーとは?

「エディーさんは、細かいこと、みんなに理解してほしいから、なんでこうやるのかを伝えます。ジャパンのラグビーは時計みたいです。ひとつの部品が壊れたら、すべてが崩れてしまうのです。1つ1つ、ちゃんとやらないと、うまくいかない。ここができないと、あっちもできなくなります」

――なるほど時計と一緒ですね。精密機械は日本のウリでもあります。

「こまかいところ、パーツがすごく大事なんです。自分のポジションの仕事を100%、理解しないといけない。それが一番大事です。そうしたら、いろんな情報がきたとき、自分にとって大事なものを選べる。自分の役割を全うできるのです」

――マイケル選手の役割は?

「ボールを前に持っていくこと」

――最近、ゲインラインを突き破っていく突破力がアップしましたよね。

「少しは(笑)」

――なぜですか?

「ハードなトレーニングをやってきたから。ジャパンでは、朝5時から練習するときもあります。4時に起きて、4時半スタートもある。スクラム、ラインアウトやって、チーム練習やって、ウエイトやって、スキルもやって…。1日、3回も4回も、セッション(練習)をやってきました。僕は絶対、グラウンドに立たないといけない。ケガをする暇もない」 

――嫌になるときはありませんか。

「ないです。強くなりたい。嫌な練習も、嫌とは言わない。みんな、そうです。やらないといけないとわかっている。最初の頃は、文句ばっかりだった。オフが少ないという声があった。でも、最近は文句もあまり聞こえてきません。やらないといけないことがいっぱいあるから。(ジョーンズHCと)オフのネゴシエーション(交渉)はできない」

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