【ラグビー】パナソニックの堀江翔太と田中史朗が示した「ジャパン躍進の道程」 (3ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu 田中伸弥●撮影 photo by Tanaka Shinya

「ひとつひとつの小さいことを、もっともっとレベルアップしたいですね。向こうでは、どの選手も基本のトレーニングでしっかりしたスキルを身につけてから、その上の段階にいっているけど、日本では基本プレーができないまま次の段階にいくので試合でミスを犯してしまう。基本プレーをもっともっと、継続してやっていきたい」

 この意識の高さが、田中をより成長させるのだろう。ジャパンの躍進を考えると、サッカーのごとく、もっと多くの日本人選手が海外クラブに挑戦してはくれまいか。

 かつてジャパンのエディー・ジョーンズヘッドコーチも同じようなことを口にしていた。もちろん所属チームの理解があってのことだが、若者のチャレンジは尊いのである。

 田中が言葉を足す。

「日本人同士でやっていても、レベルは上がらないと思います。僕たちみたいに世界に出るとか、スーパーラグビーに日本のチームをつくってもらうとか。高いレベルの選手と試合をしないと自分のレベルアップはない。それを日本全体で考えていってもらいたいなと思います」

 田中は童顔ゆえ、少しでも年齢が上に見えるように口元に不精ひげを伸ばしている。もう数cm。ひげはそらないの? と聞けば、愉快そうに小さく笑った。

「日本をアピールするために何かしようかなと思っているんです。あごひげをずっと伸ばして、先っぽで結んだりするとか。あははは」

 なんだか、つい応援したくなる。29歳の田中、28歳の堀江……。若きラガーよ、大志を抱け!なのである。ジャパンの躍進のために。

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