石川佳純が平野美宇&張本美和にインタビュー「リフレッシュ方法は?」「パリ五輪へのイメージは?」 (2ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【東京五輪を牽引したレジェンドからのバトン】

 トークセッション終了後には報道陣からの質疑応答が行なわれ、石川さんと平野の"東京五輪ペア"の関係性に焦点が当たった。

 お互いのよさについて聞かれると、平野は「東京五輪でダブルスを組むかもしれない、という話になってからはコミュニケーションをとる機会が増えて、よりお世話になるようになりました。一緒に試合に出たり、練習をしたり、プライベートでもご飯に連れて行っていただいたり。お話をたくさんするようになりました」と絆が深まったきっかけを告白。

 さらに「石川さんは卓球でも、それ以外の面でも本当に強い気持ちを持っている方で、こうして引退してからも大活躍されているのは、その心の強さとすばらしい人間性があるからこそ。本当に尊敬できて、私の憧れです」と話し、先輩に対するリスペクトの大きさを感じさせた。

 一方の石川さんは、「技術的にも精神的にも強い選手であることは私が現役時代から感じていました。ハードスケジュールだったパリ五輪予選でも、最後に(代表の切符を)勝ちとったこと、本当にすばらしいです」と平野を絶賛した。

「スポーツの魅力を伝えていきたい」と語った石川さん「スポーツの魅力を伝えていきたい」と語った石川さんこの記事に関連する写真を見る

 また、「張本選手と一緒に出るということで、(五輪団体戦では)初めて後輩ができますよね。おそらく美宇さんから美和ちゃんに教えていることがたくさんあると思うので、(先輩として)チームを引っ張っていってもらいたいです」と今夏の本戦での役割についても言及した。

 それを聞いた平野は、「アドバイスはできているかはわからないんですけど、次は自分が年上なので、石川さんに教えていただいたことを伝えていかなきゃいけないと、あらためて思いました」と気を引き締める。

 前回大会、最年長として日本代表を牽引した石川さんから平野へと、バトンが受け継がれる形となった。

 その背中を追う張本も「毎大会、試合を重ねるにつれて課題や反省する部分が出てくるので、それを見つけたら直すことを繰り返せば、パリ五輪への準備になる。そこに向けて新しいことに挑戦することも目標にしていることなので、勇気を持って挑戦し続けたいです」と力強く話した。

 記者会見を終え、「答えるよりインタビューするほうが100倍緊張する」と振り返った石川さん。先日、フジテレビ系『パリ2024オリンピック』中継のスペシャルキャスターに就任することも発表され、今後ますます数多くの競技や選手と向き合うことになる。

「こうしてまた五輪に関わることができること、本当にうれしく、光栄な気持ちです。それぞれの競技の魅力や、各選手のパリ五輪までのストーリーを、テレビを通して見てくださる方に精一杯、伝えていきたいです」

 取材される側から、する側へ。石川さんは"伝え手"として、新たなスタートを切った。

4月8日に東京都内で記者会見が行なわれた4月8日に東京都内で記者会見が行なわれたこの記事に関連する写真を見る

後編<石川佳純が語るパリ五輪「打倒・中国」に必要なこと 自身はキャスターとして「選手たちの本音を引き出したい」>を読む

【プロフィール】
石川佳純 いしかわ・かすみ 
1993年、山口県生まれ。全日本卓球選手権女子シングルスで5回優勝。過去3度の五輪(ロンドン・リオ・東京)に出場し、女子団体のメダルを獲得(銀・銅・銀)。2021年の東京五輪では日本代表選手団副主将を務めた。2023年に現役引退を発表し、現在は全国の子どもたちに卓球の魅力を伝える「石川佳純47都道府県サンクスツアー」やスポーツキャスターとして幅広く活躍中。

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