「本気の中国」を圧倒した平野美宇の新たな武器を平野早矢香が絶賛 張本美和は「もうワンランク上がる」 (4ページ目)

  • 高樹ミナ●文 text by Takagi Mina

――女子日本代表チームの渡辺武弘監督も、「まだ中学生なのに、どうしてあんな戦術を持っているのか」と舌を巻いていました。

「本当に多彩ですよね。あと、これは前から思っていたことですが、ツッツキがうまい。すごくキレているので相手は強く打ち返すことができず、ちょっと持ち上げたら、それを上からカウンターされてしまいます。バックのカウンターもうまいんですよ。最近はフォアハンドもすごくよくなっていますが、やはり張本選手の特長はバックハンドです」

――パリ五輪までにさらに成長しそうですね。

「今の気持ち、卓球への取り組み方を持続できれば、実力はもうワンランク上がるんじゃないかと思います。すごく冷静にさまざまなことを受け止めていて、試合後のコメントも『自分のことをよくわかっているな』といつも感心します。世界選手権の決勝では1番で孫穎莎選手にストレート負け、5番の陳夢選手にも1−3で負けてすごく悔しかったと思いますけど、今後のために絶対に必要な経験でしたし、それを間違いなくプラスに変えてくれるはずです」

(中編:早田ひなはパリで金メダルを獲るために「自分の卓球を変えた」 中国のエース攻略法も考察>>)

■平野早矢香(ひらの・さやか)

1985年3月24日生まれ。栃木県出身。全日本選手権のシングルスを2007年度から3連覇するなど、通算5度の優勝を達成。2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪に出場し、ロンドン五輪の団体戦で日本卓球史上初の銀メダル獲得に貢献した。2016年4月に現役を引退後は、後輩の指導をはじめ、講習会や解説など卓球の普及活動にも取り組んでいる。

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