ジョシュ・ホーキンソン「まだ途中だけどスラムダンクを観ている」有名になって困ったことも (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

 でもカーボベルデとの試合で、ようやく3Pが決まりだした。あの試合ではたしか(3P成功率が)7分の4か6分の3じゃなかったかな(実際は8分の4)。だからあの試合では、自分が大きなカギを握ると思っていたよ。

 というのも、相手センターのエディ・タバレスは身長221cmもある非常にすばらしいショットブロッカーでリバウンダーだったから、インサイドでは勝負ができない。彼をペイント内から引っ張り出すために、僕はコートを広くストレッチさせる必要があった。だからこそ、その最後のコーナーからの3Pで僕はワイドオープンになれたんだ。

 そしてその試合に勝ったことで、僕らはオリンピック行きを決めた。自分たちの夢を叶えたんだ。最高の瞬間といえば、その試合になるよ」

── トム・ホーバスHC(ヘッドコーチ)は試合でも選手に厳しく指導することで知られ、それはテレビ画面からも伝わってきます。ホーキンソン選手もホーバスHCから怒られたことはありますか?

「ホーバスHCは人によって態度を変えるのではなく、誰に対しても怒るべき時は怒るよ。その点では『アメリカ的なスタイル』だとも言える。誰かを贔屓(ひいき)することはない。選手としてもそれは好ましいものだ。

 もちろん、いいプレーをすればリスペクトしてくれるけど、大事なのは選手がチームのためになっているかどうか。それが富樫(勇樹/PG/千葉ジェッツ)だろうと河村(勇輝/PG/横浜ビー・コルセアーズ)だろうと関係ない。

 一番の好例は河村だね。河村は今やリーグでもトップの選手となったけど、ホーバスHCは彼に対して怒鳴ることをいとわない。そういうところは僕もホーバスHCをリスペクトするところさ」

── ワールドカップでの活躍でホーキンソン選手は一躍有名になりました。街で歩いていると、すぐ気づかれてしまうようになったのでは?

「昔とは状況が随分と変わってしまったので、たしかに普通の生活を送るのは難しくなってしまった。僕の背が高いのは前から変わらないけど、以前ならば『見てみなよ。あの人、背が高いね』と言われるだけだった。だけど、ワールドカップ後に状況が一気に変わって、街を歩くのも大変になってしまったよ」

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