渡邊雄太が「最悪な試合。日本代表として恥」と怒りを露にした大敗から4年...代表引退を賭けてW杯に挑む (5ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【渡邊は日本代表の甘さを指摘】

 今回のワールドカップの予選ラウンドで、日本はドイツ、フィンランド、オーストラリアという強豪と対戦する組に入ってしまった。しかし富樫が言うように、日本代表に「出場するだけでよし」という空気は、もはやない。

 今大会でアジア勢トップの成績を残して来年のパリオリンピックへの切符を手にすることが、日本にとっての最大の目標だ。そこを目指すべく、ホーバスHCの厳しい指導と選手間の選考争いによって、チームの悲壮感とハングリーさはより如実になっている。

 それは、練習のなかでの選手たちの激しいプレーぶりに表れているかもしれない。渡邊は以前、練習の強度・激しさでは「甘さがあった」と指摘していた。だが、今の代表チームでは「そんな心配をする必要は一切ない」と満足げだ。

「ここ数年、代表に戻ってきて練習の強度がすごく上がってきているので、やっていてすごく楽しい。もっと強度を高めていって本番を迎えられたらと思っています」

 渡邊は8月2日・4日に群馬県太田市で行なわれた強化試合ニュージーランド戦への出場を見送った。合流前のプライベートなピックアップゲームで左脚を少し痛めたこともあり、ワールドカップへ向けてコンディショニングを万全にしていくことに重きをおいた調整となる。

 律儀な渡邊は「この先いくつか出場しない強化試合があります」と、あらかじめファンへ向けてSNSで断りを入れている。有明アリーナでのアンゴラ戦(8月15日)、フランス戦(8月17日)、スロベニア戦(8月19日)にも、すべてには出場しない可能性はある。

 ニュージーランドとの2戦には渡邊とジョシュ・ホーキンソン(C・PF/サンロッカーズ渋谷)、ふたりのビッグマンがプレーしなかった。高さと技量に秀でる彼らの不在で日本は2戦とも苦戦し、特に2試合目はリバウンドで倍以上の差(日本21本、ニュージーランド45本)をつけられた。渡邊らが外れたことが痛かったのは、明白だった。

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