バスケ日本代表は「富樫勇樹のチーム」 それでもW杯出場の12人入りに「危機感はある」と本人が強調するワケ (6ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • 加藤誠夫●撮影 photo by Kato Yoshio

【今はもう「彼のチーム」だよ】

 東京オリンピックで富樫とともに日本代表ロスター入りをしている渡邉飛勇(C/琉球ゴールデンキングス)は、富樫には感情の浮き沈みが少なく、試合での勝負強さもあって、信頼が置けるリーダーだと評する。

「オリンピックでは田中大貴が先発PGで渡邊雄太がキャプテンだったから、富樫は『後部座席』に座っている感じだった。だけどそれ以降、ワールドカップ予選でも毎ウインドウ、プレーしてきたわけだし、今はもう『彼のチーム』だよ」

 東京オリンピック直後、富樫は「世界との差があることは感じたが、今後、日本が世界と戦えるチームになっていくと思える大会になった」「自分がメインではなく、八村選手、渡邊選手がメインのチームのサイドでプレーしたこの経験はすごく生きる」と語っていた。

 ホーバスHCのチームでずっとキャプテンを担い、チームの中心となってきた富樫は、今度は自身がメインとして「アカツキジャパン」を背中で、言葉で、引っ張っていく──。

プロフィール

  • 永塚和志

    永塚和志 (ながつか・かずし)

    スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019W杯等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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