八村塁の穴は誰が埋めるのか? バスケ日本代表がワールドカップで勝つために不可欠なピース (4ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

【椅子が空いたのはチャンス?】

 しかし、それだけではまだ「駒」の数は足りないはず。となれば現状、面子を見渡して誰が「次の駒」となりうるのかを考えた時、川真田が筆頭に来るのではないか。

 とはいえ、それは「ジョーカー」的な選出かもしれない。川真田は身長204cm・体重110kgと骨太のセンターで、スキル面で器用さを備えているかといえば、自身が「まだ3Pという武器がない」と認めるほど粗いところが目立つ。つまりは「現代風」というよりも、昔ながらの「肉体を生かしながらリング近くでプレーをする」タイプだ。

 ワールドカップ・アジア地区予選では、ウインドウ1から代表候補に選ばれながら試合出場はなかったものの、今年2月の予選・最終戦のバーレーン戦でようやくデビューを果たしている。今回のチャイニーズタイペイ戦には2試合とも出場し、計5得点、リバウンド8本(うちオフェンスリバウンドが5本)を挙げるなど、ハッスルプレーを見せた。

 川真田は八村と同じ1998年生まれ(学年は八村がひとつ上)。辞退で空いた椅子を川真田は「チャンス」だと口にする。

「僕たちも真剣に代表としてやっているので、そこはチャンスだと思いながら。今は泥臭く、練習でも試合でも自分のできることをアピールして頑張っています」

 吉井を「無骨」と表現したが、川真田もまた起用で流麗なプレーぶりを持った選手ではない。だが、肩幅の広さを生かしながらガムシャラにリバウンドを取りにいく姿勢が評価されれば、日本代表の一角に入ってくるかもしれない。

 一方、常に代表入りしている井上宗一郎(PF/越谷アルファーズ)の立場はやや危うくなってきたか。

 井上は201cmのビッグマンながら卓越した長距離シュートの能力を持ち、3Pを重用するホーバスHCに見出された「ホーバス・チルドレン」のひとり。だが、チャイニーズタイペイとの2戦では存在感が薄かった。1戦目では前半にターンオーバーを2度記録し、後半に2本の3Pを決めるも、2戦目はわずか3分半強の出場で無得点に終わった。

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