松井啓十郎が「グッときた」SLAM DUNKの言葉。「リングしか見えない瞬間って本当にある」 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro

今シーズンから富山グラウジーズでプレーをする松井啓十郎 ©️TOYAMAGROUSES今シーズンから富山グラウジーズでプレーをする松井啓十郎 ©️TOYAMAGROUSES――松井選手はアメリカ留学の先駆け的な存在です。現在、より活発になっている日本人選手のアメリカ留学をどう見ていますか?

「すばらしいことだと思います。僕が渡米した頃は、本当に情報が少なく、手探りな部分が多かったですから。今は情報も多く、実際に留学経験者からいろいろなアドバイスや経験談を話してもらうこともできます。以前とは比べ物にならないくらい留学しやすくなっていると思いますね。

 ただ、容易になったからこそ、成功するためには本気度や覚悟が問われるのかなと思います。やはり、"ちょっと行ってみようかな"くらいの軽い気持ちでは通用しませんからね。

――NBAではアメリカ国籍外の選手が以前より多く活躍していますよね。

「昨シーズンはセルビア出身のニコラ・ヨキッチがシーズンMVPを、ギリシャ出身のヤニス・アデトクンボがファイナルMVPを受賞したことが象徴するように、近年、アメリカでバスケをすることの扉は日本だけに大きく開かれたのではなく、世界中に大きく開かれています。それだけ以前より生存競争が熾烈になっていると言えると思います。もしアメリカ留学を望むなら、覚悟を持つことはもちろん、できるだけ長い期間、それもなるべく早い時期から留学するのが理想的だと思います。世界中からライバルが集結しますが、現在、八村塁、渡邊雄太らがNBAで活躍し、リスペクトを勝ち取ってくれたおかげで、以前よりも"東洋人なんかがバスケがうまいはずがない"という偏見も減りつつあり、より公平な目でプレーを見てもらうことができる状況になっていると思います。2人に続く選手が、どんどん現れてほしいです」

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