八村塁が成長したポイントを番記者が語る「チームの未来を担う選手」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 安全衛生プロトコルでの離脱から復帰した際、塁がいいコンディションを保っていたことには驚かされました。試合間隔が18日間も空き、練習すらできなかった期間もあったにもかかわらず、しっかり準備ができた状態で戻り、現在も高いプレーレベルを維持していることは信じられません。

 復帰直後のゲームはリズムがよくなかったですが、2月17日の試合まで6試合連続二桁得点と、最近は好調です。特に2月3日のマイアミ・ヒート戦ではいいプレーをして勝利に大きく貢献しました。ディフェンスでも、随所でビッグプレーを決めています。

 1年目の故障離脱、その後のパンデミックによるシーズン中断、フロリダ州オーランドの"バブル"でのプレーなど、塁はこの2年間で本当にさまざまな経験をしてきました。そんな中でも安定した結果を出しているし、適切な方向に進んでいる。チームも勇気づけられているはずです。

 さらに向上させなければいけない点があるとすれば、やはり3ポイントシュートでしょう。依然としてトップ・オブ・ザ・キー(フリースローサークルの半円上部の周辺)でボールを持った際、ノーマークでもシュートを打つのをためらう傾向が見られます。この点は懸念材料ですが、塁は「練習している最中だから」と繰り返し話しています。

 大事なのは、シュートにも自信を持てるかどうか。オフシーズンも練習を積み重ねてきたはずですが、今季に向けたオフは期間が短く、サマーリーグも行なわれなかったため調整が難しかったはずです。ただ、塁はオフェンス面に関してはすべてのツールを備えています。まだ若いですし、練習熱心なので、より成長していくことは間違いありません。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る